2021/10/15
VOL.7
「遺伝子組み換え食品」、あなたはどうする?

豆腐や納豆などの大豆製品や、サラダ油をはじめとする植物油などの原材料表示欄に、「遺伝子組み換えでない」という記載を見かけることがありますね。そもそも遺伝子組み換えとは、いったいどういうものなのでしょうか?

遺伝子組み換えとは、作物などに対し、“他の生物の細胞から抽出した遺伝子を組み換え、新たな性質を持たせる手法”のことを指します。抽出した遺伝子が持つ、「害虫に強い性質」や「除草剤に強い性質」などを、その作物の新たな特性として加えるのです。

農業では、昔から、「品種改良」を行って作物の性質を変えることが行われてきました。様々な種類の種を交配させて、“食味の良い品種”・“病気や害虫に強い品種”・“冷害に強い品種”等々が生み出されてきたのです。しかし、品種改良の場合、人が遺伝子に直接手を加えることはありませんでした。

「遺伝子組み換え」は、「品種改良」よりも効率的に作物の性質を変えることができる技術ですが、「安全性に問題はない」という説がある一方で、「人体や環境への影響が懸念される」という意見も根強く、世界中で賛否両論を巻き起こしています。日本の場合、8割以上の国民が、「遺伝子組み換え食品は出来るだけ避けたいと思っている」という調査結果があります(2016年度・消費者庁「食品表示に関する消費者意向調査」)。

遺伝子組み換えは、国によって許可されている作物が異なります。厚生労働省の資料によれば、日本で販売されている遺伝子組み換え作物は以下の表の通りです。

「遺伝子組み換えを行った作物が体内に入ると、アレルギーの原因になるのではないか」「遺伝子組み換えの作物を長年食べ続けた場合、人体にどのような影響があるのか不透明である」という指摘も、「遺伝子組み換え作物が人体に害を与える可能性は極めて低い」という意見もあります。が、多くの研究者が、「安全性については今後も検証が必要で、現状ではグレーと言わざるを得ない」という見方をしているようです。農業に様々な利点を与えてくれる遺伝子組み換えですが、オーガニックな視点から考えると、「当面は、出来る限り避けつつ、今後の動向を見守る」というのが基本的な姿勢になりそうですね。

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