2021/11/1
VOL.8
オーガニック茶のススメ【前編】
「清涼飲料水よりもお茶を」

世界保健機関(WHO)によると、食事以外で1日に摂取してもよい糖分は1日の総カロリーの5%程度とされています。平均的な大人の場合、目安は約25g。自販機やコンビニで手軽に買える炭酸飲料やジュースを飲んでしまうと、たった1本で1日の必要摂取量を超えてしまいます。

このように清涼飲料水には多くの糖分が含まれており、日常的に飲んでいると肥満や生活習慣病のリスクが高まってしまいます。糖分は私たち人間の生命維持に欠かせないものではありますが、普段の食事で糖分を摂取しているので、食事以外の糖分はごくわずかでも問題ないのです。

最近は、サッカリン、アスパルテーム、ネオテーム、スクラロース、アセスルファムKなど、カロリーゼロの人口甘味料を使った清涼飲料水も多く販売されており、ダイエットを気にする消費者に支持されています。こういった甘味料については専門家の評価も分かれており、「糖尿病などで低エネルギー食にする必要がある患者さんに、少量使ってもらうのにはもってこいだ」といった肯定的な意見もあれば、「ホルモンに作用する」、「味覚を鈍化させる」、「依存性がある」、「腸内細菌に影響を与え耐糖能異常を引き起こす」、「うつ病のリスク上昇」、「腎機能低下」、「脳卒中・心筋梗塞のリスク上昇」など、様々な悪影響が懸念されるという否定的な意見も多く、健康への影響については疑問が残ります。また、妊婦が人工甘味料を摂りすぎると生まれた子どもが肥満になりやすいというデータもあるようです。

…というわけで、普段の生活では、水やお茶で水分補給をするようにしていきたいものです。ここで、私たち日本人にとって身近な存在である緑茶に目を向けてみましょう。近年の研究により、緑茶には様々な健康効果が期待できることが分かってきています。

①インフルエンザ予防に
緑茶に最も多く含まれる成分「カテキン」は、「ウイルスが細胞に吸着するのを阻止する作用」、「ウイルスが細胞の中に入り込むのを阻害する作用」、「細胞の中に入ったウイルスが増殖したり、他の細胞に広がったりすることを抑制する作用」を持つことが分かってきました。カテキン以外の「テアニン」「ビタミンC」などには免疫力を増強する作用が、「ストリクチニン」にはウイルス増殖を抑制する作用などがあると考えられています。

②認知症予防に
カテキンやテアニンは脳に溜まった老廃物を減らし、認知機能に影響を及ぼす脳の循環障害を改善するといわれています。老人ホームにおける臨床試験では、緑茶の粉末を1日2g×3ヶ月間摂取することで認知スコアの改善が見られ、認知症予防への期待が高まっています。

③花粉症に
伊藤園の中央研究所と日本薬科大学との共同研究により、カテキンは、花粉症や通年性アレルギー性鼻炎の諸症状を緩和する成分であることが明らかになっています。

④コレステロールや内臓脂肪に
カテキンは、LDL(悪玉)コレステロールを低下させる作用や内臓脂肪低減作用を発揮することが明らかになっています。

⑤腸内細菌に
カテキンは、食中毒などを引き起こすウェルシュ菌やクロストリジウム菌等の数を減少させることが分かっています。

⑥その他
カテキンは、UVダメージから皮膚を保護する(赤みの変化を抑える)働きや、虫歯予防・口臭予防などの働きがあることが明らかになっています。

TOPへ