2021/8/15
VOL.3
コロナの時代、ジャパンブルー(藍)を身近に

人類最古の染料ともいわれている「藍」。日本に伝来したのは奈良時代の頃と言われており、染料としてだけではなく薬用植物として、解熱・解毒・抗炎症などの貴重な民間薬として珍重されていました。

日本における藍染は、江戸時代に最盛期を迎えます。当時、染め物といえば大半を藍染めが占めており、着物・浴衣・袴・のれん・前掛け・手ぬぐい・足袋・風呂敷など、江戸の町は“藍色の町”であったといっても過言ではなかったといいます。藍で染めた布は「耐久性が増す」「抗菌性・消臭性にも優れている」「害虫・蛇避け効果がある」「燃えにくい」などとして、野良着や火消し半纏などにも使われましたし、「止血効果や化膿止め効果がある」として、合戦の際、武士の下着にも使われたとのこと。
日本で一般的に使われている藍はタデ科の植物ですが、世界には様々な植物で染めた藍染め製品があります。1850年代、ゴールドラッシュ時代のアメリカでは、金を採掘する作業員達であふれかえっていました。その中の1人だったリーバイ・ストラウスという名の青年が、テント用の丈夫な生地をインディゴ(藍)染めにして作ったズボンがジーンズの元祖だというのは、とても有名なお話。虫除けやガラガラ蛇除けの効果があると話題になり、多くの作業員達が真似をしたそうです。(現在のジーンズは、そのほとんどが合成染料で染められており、藍染ではありません。)

明治時代の初めに来日した、あるイギリス人科学者は、町にあふれる藍染めを見て、藍色を「ジャパンブルー」と記したそうです。現代の日本でも、野球日本代表「サムライジャパン」、サッカー日本代表「SAMURAI BLUE」や、「なでしこジャパン」のユニフォームなどに「青」が使われていますね。「藍色・青色」は、時代を超えて、日本を代表する色なのかもしれません。
近年、藍の抗ウィルス作用に関する研究が進んでいます。もともと、2003年の時点で「A型インフルエンザウイルスを不活性化する」という研究結果が発表されていましたが、2019年には、弘前大学と佐々木健郎氏(東北医科薬科大学)他により、インフルエンザウイルスに対する「あおもり藍」の効果について、共同特許の出願が行われました。また、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、複数の研究機関によってさらなる研究が進み、2021年1月には「藍がインフルエンザやコロナウイルスの働きを弱める」といった結果が発表され、注目が集まっています。
この研究発表を受け、藍を使った除菌スプレー・石鹸・マスク・のど飴・お茶等々、様々な商品が販売され、市場に出回るようになりました。ただ、気を付けていただきたいのは、「原料となる藍の栽培地や種類によって効能は異なり、すべての藍に同様の効果があるわけではない」ということです。メーカーのパンフレットやホームページに目を通したり、電話で問い合わせたりして、効果が客観的に証明されているのかどうかを確認するようにしてください。

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