2021/8/1
VOL.2
コロナで多くの死者を出したイタリアでブームの“和の食材”とは?

コロナにより、多い時期には1日に1000人近い死者が出たイタリア。第一次ロックダウンの際は、飲食業だけでなく他の産業も営業を停止していました。国民は、自分が住んでいる町以外の商店に出かけることを禁止され、商店では、“食材及び日々の暮らしに必要不可欠な消耗品”以外は売ることも買うことも禁じられていたのです。

それほど緊張感の高い生活を経験し、今もなお警戒が続いている中で、現地の人々が注目しているのが“和食”なのだとか。

イタリアといえば、世界的に有名なアメリカ発ハンバーガーショップがローマに開店したことをきっかけに、「自国の食文化を守ろう!」とスローフード運動が始まった国です。「伝統的な食文化」「農薬や合成食品添加物に頼らないシンプルな食材」を大事にするその視点が、日本の伝統的な食材をとらえたのかもしれません。

今では、多くの医療従事者やシェフたちが、旬の野菜・玄米・雑穀などをベースに、日本の味噌・醤油・漬物・梅干し・甘酒などを積極的に摂る食生活を実践し、「ワクチンだけでは不十分」「毎日の食事を見直すことで、腸内環境を整え、炎症を抑え、免疫力を強化しよう」と提唱しているそうです。

近年、腸内環境と免疫力には密接な関係があることが分かってきており、発酵食品に注目が集まっています。伝統的な発酵食品がそれほど豊富でないイタリアでは、日本の発酵食品がよく売れているそうで、インターネットで作り方を調べ、味噌や漬物を自宅で手作りする人々も出始めました。

「腸活(腸内環境を整えるための活動)」をするには、本物の発酵食品を見分ける必要があります。たとえば糠漬けは、“糠漬け風の味付けをした調味液を野菜にまぶしただけ”ではなく、本物の糠味噌に漬け込んで発酵させたものでなければなりません。また、使用する食材は、農薬や合成食品添加物などの化学的な物質を使用しない、オーガニック(有機)のものが望ましいでしょう。菌は高温に弱いものが多いため、「お味噌汁は、火を止めてから味噌を入れ、その後は沸騰させない」等の知識も必要ですね。

コロナウィルスのみならず、様々なウィルスや有害物質から健康を守るためにも、伝統的な発酵食品を日々の食事にうまく取り入れていきたいものです。

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