Organic な「もの」「こと」「ひと」
  1. 国産有機
    サポーターズ
    活動事例集

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  2. 京都市上京区

    Farmer’s 河原町丸太町店 (株式会社ヘルスライフ)

    株式会社ヘルスライフ 管理部 兼 店舗事業部 部長
    株式会社ネットプランニング 代表取締役 和田真也さん
    【Farmer’s(rファーマーズ)とは】
    京都市上京区、神宮丸太町駅から鴨川を渡った先にあるオーガニックのスーパーマーケット。店内には、農薬や化学肥料を使用していない、又は使用量を極力抑えた農産物をはじめ(ほとんどが地元・京都の農家のもの)、若狭小浜湾でその日の朝に水揚げされた天然魚、合成食品添加物を使用しない加工食品などが所狭しと並んでいます。洗剤やシャンプーなどの生活用品も置いてあり、“オーガニックな食とライフスタイルを実現したい人は、とりあえずここに来れば一通りなんでも揃う”と言えそうです。

“顔が見える関係”であっても、
安心・安全が担保できているとは限らない。
だから、生産者一人ひとりを実際に訪ねて
人となりや仕事ぶりに触れるようにしています。

人気アイテムは、店内工房のお弁当
常連のお客様に特に人気が高いのは、店内工房で手作りされるお弁当。ごはんは白米だけでなく雑穀米や発芽玄米も使われ、おかずは昔ながらの製法で作られた調味料で味付けされ、減塩弁当も用意され…と、食にこだわりのある方々のツボを抑えたラインナップ。
株式会社ヘルスライフとは?
創業以来、約40年にわたり健康に関する事業に取り組んできた企業で、現在はオーガニックや無添加にこだわったお店を積極的に展開中。特に力を入れているのが農産物で、有機JAS 野菜を中心に、自然農法や特別栽培農産物等、豊かな土壌で農薬や化学肥料に頼らずに育てられたもの、なるべく地元の農家で生産されたものを取り扱っています。直営店舗は10店舗(京都・大阪・兵庫・滋賀)、さらに、関連会社である株式会社ネットプランニングが手がけるパートナー店舗は3店舗(京都・埼玉・神奈川)を展開中。(2022年2月現在) 健康になるために大切なオーガニックライフを広げることを目指し、身近なところで手軽にオーガニック製品が買える環境づくりを推進しています。
“顔が見える関係”は、本当に顔が見えているのか?
20~30年ほど前からでしょうか、多くのスーパーの野菜売り場に、生産者の顔写真と氏名を掲載したパネルやPOPが並ぶようになり、“顔が見える関係”という言葉が溢れるようになりました。でも、果たしてそれらのすべてが、本当に“顔が見える関係”と言えるのでしょうか? 顔写真と氏名を見たくらいでは、「どんな生産者が、どのように育てた野菜なのか?」が見えてきません。

「残念ながら、現在、多くの小売店が掲げている“顔の見える関係”では、安心・安全が担保出来ているとは限らない」と話すのは、株式会社ヘルスライフで管理部兼店舗営業部部長を、株式会社ネットプランニングで代表取締役を務める和田真也さん。では、「Farmer’s」や姉妹店舗では、どのようにして“本当に顔が見える関係”を築いているのでしょうか?
“バイヤー”がいない会社
「私たちの会社には”商品部”がありません。だからバイヤーがいないんです。いや、いないというより、スタッフ全員がバイヤーであると言った方がいいかもしれません」(和田さん) 「Farmer’s」も、その姉妹店も、社員やアルバイトの区別なく、皆が産地を回ったり、メーカーの担当者による勉強会に参加したりしているのだそう。「生産者一人ひとりを実際に訪ねて、人となりや仕事ぶりに触れてみなければ、本当に顔の見える関係を築くことはできません」と和田さんは言います。

各スタッフごとに、好きな生産者がいて、好きな商品があるため、お店ごとに仕入れるアイテムが違うということもよくある話なのだとか。お客様とスタッフとの会話の中で、「〇〇が欲しいんだけど…」「じゃあ、探してきます!」…というような流れで取扱いが決まったアイテムもあるようです。“どの店舗に言っても同じ品揃え”というチェーン展開とは異なり、地域のお客様の声とスタッフの思い入れによって、各店のカラーが決まっていくのでしょう。
“顔の見える関係”を客観的に担保できる有機JAS
このようにして、スタッフと生産者の“本当に顔が見える関係”づくりに尽力する一方で、和田さんはこうも言います。「安心・安全を客観的に担保できるシステムは、いまのところ有機JAS認証のみ。実際、お客様の中にも、有機JASマークがついている商品だけを選んで購入する方々がいらっしゃいます。費用や手間ひまがかかることなので決して押し付けるわけにはいきませんが、生産者の皆さんには、可能な限り有機JAS認証を取得することを努力目標としていただけたら…と思っています。」
有機野菜の価格を“あと少し”安くするために
国産有機農産物の消費拡大のために最も重要な課題は、“物流網の構築”だと和田さんは言います。「現在の有機野菜の価格は、通常の野菜の1.5〜2倍ほどです。これが1.2〜1.5倍になると、動きは大きく変わってきます。現状、小さな商店や八百屋は生産者から宅配便で野菜を仕入れていることも多く、配送コストの高さがそのまま販売価格に反映されてしまっています。官公庁や地方自治体が物流網の構築をサポートしてくれるとありがたいですね。小さな店が取り残されないような物流網があれば、有機野菜を販売できるリアル店舗がグンと増え、消費量・生産量を増やすことに繋がるはずです。」
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