Organic な「もの」「こと」「ひと」
  1. 国産有機
    サポーターズ
    活動事例集

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  2. 京都府京都市

    株式会社マイファーム

    代表取締役 西辻一真さん
    【マイファームとは】
    新規就農希望者、オーガニックビジネスの現場で働くスタッフ、農学部で学ぶ学生さんなど、農業に興味のある若い方々で、この人の名前を知らない方はいないのでは? 西辻一真さん。農体験をプロデュースする「体験農園マイファーム」、ウィークエンドファーマーから新規就農者まで目的に応じて学べる農の学校「アグリイノベーション大学校」、会員制宅配サービス「やっちゃば倶楽部」、BtoB向け卸売市場アプリ「ラクーザ」等々、様々なアプローチで日本の農を支えている株式会社マイファームの代表取締役。農や食を志す若い人達にとってはカリスマ的な存在です。

有機農産物は安定供給が難しいと言う人が多いけれど、
そもそも、安定供給を求める社会が間違っているんじゃないでしょうか?
自然に寄り添い、お天気次第で状況が変わる。それが農業というものです

西辻一真という人
「1982年福井県に生まれ、2006年京都大学農学部資源生物科学科卒業。1年間の社会人経験を経た後、幼少期に福井で見た休耕地をなんとかしたいという思いから、“自産自消(自分で作って自分で食べる)”の理念を掲げて株式会社マイファームを設立。その後、体験農園・農業学校・流通販売・農家レストラン・農産物生産など、独自の観点から農業の多面性を活かした数々の事業を立ち上げる。2010年、戦後最年少で農林水産省政策審議委員に就任。2016年、総務省「ふるさとづくり大賞」優秀賞受賞。2018年より東京農業大学客員教授就任。将来の夢は世界中の人が農業(土に触っていること)をしている社会を創ること。」……これが西辻さんのプロフィール。2020年には可愛い長男くんが誕生して新米パパとなり、「子どもを持ったことで自分が変わったと感じているところ」だと言います。田んぼや畑で育まれる命、そして、家庭・家族というフィールドで育まれる命。その両方に、西辻さんが今後どのように向き合っていくのか、楽しみでなりません。
有機JAS認証に対するスタンス
日本中の農地をめぐり、「有機JAS認証を取得した農家」、「農薬や化学肥料には頼らず頑張っているけれど有機JAS認証は取得していないという農家」、さらに、「農薬も肥料も基本的に一切使用しない(有機肥料さえも使わない)自然栽培の農家」まで、全国の“篤農家”と呼ばれる方々との対話を続けてきた西辻さん。どのジャンルにも素晴らしい志と技術を持った魅力的な生産者がいらっしゃることを誰よりもよく理解しているし、そういう方々に敬意を払いつつ一緒に仕事をしています。「その上で申し上げるのですが、国が定めた有機農業の定義(有機JAS)がある以上、それに準ずるのが最も望ましい形である…という考えを僕は持っています。栽培基準が明確で、それを実践しているということが第三者によって確認されている。それはやはり、多くの消費者にとって非常に分かりやすい指針になると思うんです。ですから、今回の『国産有機サポーターズ』のような取り組みをはじめ、様々な機会や方法を用いて、有機JAS農産物がもっと広く世の中に認知され、生産量も消費量も増えることを希望しています」
「自然から生まれるものなんだから、無い時には無いんですよ」
「よく、有機農産物は安定供給が難しいという人がいるでしょう? でもね、そもそも、安定供給を求める社会が間違っているんじゃないでしょうか? 自然に寄り添い、お天気次第で状況が変わるのが農業というもの。一年中同じ作物が欲しいという人がいるからハウス栽培で化石燃料をバンバン使ったり、常に同じ品質のものを欲しがる人がいるから病害虫を防ぐために農薬をまいたりするようになるんです。それって、有機農業の本質を理解していないということですよね。自然から生まれるものなんだから、無い時には無いんですよ。それが農業というものです。そこを不便だと思うんじゃなくて、『自然のものだから、お天気次第で収穫できないこともあるし、時には病気にかかってしまうこともあるんだな』とか、『ああ、今年も美味しくいただいた。もうシーズンは終わってしまうけど、また来年の収穫を楽しみに待とう』とか、そんなふうにとらえると、季節に沿った食卓をもっと楽しめるようになると思うんです」と西辻さん。この他にも、「僕は今、東京農大で教えているんですが、同時にそこの大学院の学生でもあるんです。その理由は……(以下省略)」「農業生産者が権力者に年貢を納めることが義務になったのは、いつのことだったか分かりますか? それはね……(以下省略)」 柔らかな声と口調でバッサリと世の中を切る“西辻トーク”は、とにかく面白くて新鮮で、このまま何時間でも聴いていたいと思ってしまいます。西辻イズムに興味を持たれた方、アグリイノベーション大学校を覗きに行ってみてはいかがでしょう?
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