有機JASを“共通言語”に
「全国の生産者さんからたくさんの売り込みがあると思いますが、この人と組んでみよう…と思われる一番のポイントはなんですか?」と、商品開発本部・産直部の部長である那須さんに訊ねると、「農業を通して地域を活性化しようという気概を持った生産者であることを最優先事項と考えています。そういう方々は、農業に関しても環境問題に関しても意識が高く、良い仕事をしてくれるんです」という答えが返ってきました。さらに、有機JAS認証を取得している生産者であればなお良いとのこと。「客観的な基準に支えられている有機JASの価値は、日本でも世界でも認知されやすく、どこでも通用するものであると思っています。農や食の現場に有機JASがもっともっと浸透し、“当たり前の共通言語”になるようにしていかなければなりません。カタログ上に有機農産物専用のページを設けたり、生産者に紙面に登場していただいたりと、『コア・フード(有機JAS認証取得農産物)』のアピールに努めています」「他と比べ、比較的利益率を低く設定できるのは、生協というシステムならでは。それを最大限に生かして、“有機でも継続して購入しやすい価格”を実現していきたいですね。生産者に対して、“価格ありき”で値段を下げさせることはしたくありません」
“つくる”と“食べる”の距離を縮める
パルシステムの産直は、人と人との交流を礎として発展してきました。産地を訪れ様々な体験をすることで、組合員は生産物や商品に込められた想いを実感し、生産者と交流することで産地への理解や親近感も深まります。一方、生産者は組合員の生の声を聞き、生産現場に求められている課題を共有するきっかけに。産地を回ってオーガニックの良さを体感する「コアフードキャラバン」、生産者と消費者が集う祭典「オーガニックフェスタ」をはじめ、様々なツアーやイベント、勉強会などを開催してきました。「2020年はコロナの影響でそういった活動の多くを休止していましたが、12月17日にリモート参加できる講座を開催してみました。以前は勉強会に参加してくださる組合員さんは1回あたり30名程度で、しかも、一部の熱心な方々が毎回繰り返し参加するような状況だったのですが、web講座はなんと180人もの方々が参加してくださったのです。これまではお仕事やご家庭の都合で参加しずらかった方々も集まってくださったのでしょう。Webの力を改めて実感しました。今後はリモート講座やSNSでの情報発信にも更に力を入れていきたいですね」と那須さん。
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