Organic な「もの」「こと」「ひと」
  1. 国産有機
    サポーターズ
    活動事例集

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  2. 東京都新宿区

    パルシステム生活協同組合連合会

    商品開発本部 産直部 部長 那須豊さん
    【パルシステムとは】
    生協は日本全国に多数存在し、それぞれに考え方や方向性が異なります。しかし、商品の企画開発やカタログ制作、物流システムなど、単独では運営が難しいこともあり、グループで事業連合(連合会)という組織を作って活動しています。パルシステム生活協同組合連合会は、こうしたグループのひとつです。テレビで「♪パルシステーム、パルパルパルパルパルシステム♪」というCMソングを耳にしたことのある方もいらっしゃるでしょう。あのCMに登場する牛はパルシステムのイメージキャラクター“こんせんくん”。パルシステムの産直の魅力を伝えようと北海道根釧(こんせん)地方からやってきた1歳の牛の男の子という設定で、自社配送トラックに描かれているほか、商品展示会をはじめとする各種イベントにも登場するアイドルです。

他と比べ、比較的利益率を低く設定できるのは生協ならでは。
それを最大限に生かして、“有機でも継続して購入しやすい価格”を実現していきたい。
生産者に対し、“価格ありき”で値段を下げさせることはしたくありません。

トップブランド「コア・フード」
パルシステムは発足以来40年にわたり、農業の生産性と自然環境の調和を目指した「環境保全型農業」の推進に取り組み、生産者と組合員が力を合わせて「農薬削減プログラム」を実施してきました。この取り組みの中で生まれたのが、トップブランドである「コア・フード」(有機JAS認証を取得した農産物)と、「エコ・チャレンジ」(化学合成農薬・化学肥料を各都道府県で定められた慣行栽培基準の1/2以下に削減した農産物)です。高温多湿で病害虫による被害が発生しやすい日本において、パルシステムの多くの生産者が非常に高いレベルの栽培に挑戦しています。
有機JASを“共通言語”に
「全国の生産者さんからたくさんの売り込みがあると思いますが、この人と組んでみよう…と思われる一番のポイントはなんですか?」と、商品開発本部・産直部の部長である那須さんに訊ねると、「農業を通して地域を活性化しようという気概を持った生産者であることを最優先事項と考えています。そういう方々は、農業に関しても環境問題に関しても意識が高く、良い仕事をしてくれるんです」という答えが返ってきました。さらに、有機JAS認証を取得している生産者であればなお良いとのこと。「客観的な基準に支えられている有機JASの価値は、日本でも世界でも認知されやすく、どこでも通用するものであると思っています。農や食の現場に有機JASがもっともっと浸透し、“当たり前の共通言語”になるようにしていかなければなりません。カタログ上に有機農産物専用のページを設けたり、生産者に紙面に登場していただいたりと、『コア・フード(有機JAS認証取得農産物)』のアピールに努めています」「他と比べ、比較的利益率を低く設定できるのは、生協というシステムならでは。それを最大限に生かして、“有機でも継続して購入しやすい価格”を実現していきたいですね。生産者に対して、“価格ありき”で値段を下げさせることはしたくありません」
“つくる”と“食べる”の距離を縮める
パルシステムの産直は、人と人との交流を礎として発展してきました。産地を訪れ様々な体験をすることで、組合員は生産物や商品に込められた想いを実感し、生産者と交流することで産地への理解や親近感も深まります。一方、生産者は組合員の生の声を聞き、生産現場に求められている課題を共有するきっかけに。産地を回ってオーガニックの良さを体感する「コアフードキャラバン」、生産者と消費者が集う祭典「オーガニックフェスタ」をはじめ、様々なツアーやイベント、勉強会などを開催してきました。「2020年はコロナの影響でそういった活動の多くを休止していましたが、12月17日にリモート参加できる講座を開催してみました。以前は勉強会に参加してくださる組合員さんは1回あたり30名程度で、しかも、一部の熱心な方々が毎回繰り返し参加するような状況だったのですが、web講座はなんと180人もの方々が参加してくださったのです。これまではお仕事やご家庭の都合で参加しずらかった方々も集まってくださったのでしょう。Webの力を改めて実感しました。今後はリモート講座やSNSでの情報発信にも更に力を入れていきたいですね」と那須さん。
パルシステムとSDGs
生協は、消費者一人ひとりがお金を出し合って組合員となり、協同で運営・利用する組織。利益の追求を目的とする株式会社とは異なり、自立した市民がつながり協働しあうことで、より人間らしい暮らしと持続可能な社会を実現することをミッションとしています。「食と農を基本とした協働の地域づくり」をテーマに、「いのちを育む環境保全型の米づくり」「生物多様性を知る・活かす“田んぼの生きもの調査”」「資源循環と飼料自給を実現し、薬に頼らない日本型畜産」「海の環境を保全し、水質資源を持続的に利用する水産業の実現」「森林資源を守る、生協初の“森の産直”」「原子力発電に依存しない再生可能エネルギーの小売り」等々、様々なプロジェクトが進行中。2017年12月、政府が主催する「ジャパンSDGsアワード」でSDGs推進副本部長(内閣官房長官)賞を受賞しました。パルシステムが目指してきたのは、産地も地域も環境も守っていける持続的な取り組み。「誰ひとり取り残さないために」というSDGsは、まさにパルシステムの姿勢そのものです。
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