2022/3/30
VOL.24  
気づかずに使っている家庭内農薬
~様々な疾患の原因となっているかも…?

「一部屋に1回プッシュするだけで24時間蚊が寄り付かない」、「コンセントに差しっぱなしでOK、火の危険がない電子式蚊取り器」、「1回散布するだけで効果が長く持続する除草剤」など、“手軽で使いやすい”殺虫剤や除草剤のバリエーションが増えています。これらはすべて農薬と同様の物質が使われています。虫や微生物を殺す成分ですから、人体やペットへの影響、土や水への影響等が心配ですね。

家庭内農薬は、「ピレスロイド系殺虫剤」・「有機リン系殺虫剤」・「その他(パラジクロールベンゼンなど)」に大別されます。

①ピレスロイド系殺虫剤がよく使われるもの
●蚊取り線香(※除虫菊を原材料としたものは除く)
●ダニ除け(パウダー・スプレー・シート等)
●「ゴキブリ除け(スプレー・薫煙剤・微粒剤・シート・タブレット等) など。

②有機リン系殺虫剤がよく使われるもの
●園芸用殺虫剤
●園芸用除草剤
●電子式蚊取り器

③その他(パラジクロールベンゼンなど)
●衣類の防虫剤

どれも、毒性が懸念されると言われている物質です。一例を見ると、ピレスロイド系物質の中で、ダニ・アリ・ゴキブリ等に使われるベルメトリンという物質があります。昆虫には神経毒性として作用し、人体への影響は、悪心・嘔吐・下痢・頭痛・眠くなる・耳鳴り・免疫力の低下・催奇形性・発がん性などが報告されています。さらに、富山医科大学の研究では、「胎児の脳と器官をつなぐ神経の働きを阻害する」ということが分かっています。

防虫・抗菌処理加工をした掃除機の紙パックにも、殺虫剤としてピレスロイド系農薬が多く使われています。掃除機の排気口から暖かい空気が出ますが、その空気には紙パックに染み込ませた農薬が含まれていますので、知らないうちに室内に撒き散らされているのです。大阪大学による研究では、防虫・抗菌処理加工をした紙パックを使った掃除機をかけると、なんとヘリコプターで農薬を空中散布するのと同じくらい、室内の空気が汚染されるというデータが出ています。

このような農薬を、アルミサッシで閉め切った密閉性の高い家屋で生活しながら生活することにより、化学物質過敏症・農薬中毒・呼吸障害・皮膚炎・気管支ぜん息・鼻炎・結膜炎・ホルモン異常などが発症するケースも増えています。

衛生管理やアレルギー防止のためにと配慮して使っているつもりの防虫剤や防ダニ剤、抗菌仕様のさまざまな製品、掃除機、蚊取り線香等が、実は健康を害しているということがないよう、化学物質に頼りすぎない暮らしを心がけたいものです。


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