2021/1/1
VOL.7
有機JASマークがついていない“有機農産物”って?
~「提携システム」が支える非JAS農産物

ほうれん草や小松菜などの“葉もの野菜”は、緑色が濃ければ濃いほど栄養豊富で美味しい…と思っている方々が多いようです。確かに、深い緑色には、「これぞ緑黄色野菜!」「ビタミンカラー!」というイメージがありますよね。

でも、健康的で美味しい葉もの野菜は、実は、“濃すぎない、程よい緑色”をしているものなのです。暗緑色になってしまうのは、“硝酸態窒素”を多く含んでいるから。

窒素は植物の成長に最も必要とされる養分で、野菜の多くは肥料中の窒素成分を硝酸態窒素という形で根から取り込んで育ちます。けれども、多すぎる硝酸態窒素は、人の健康にも環境にも良くありませんし、野菜のエグ味が増す原因にもなるのです。(化学肥料でも有機肥料でも、やりすぎはトラブルの元です。)

硝酸態窒素自体は有害なものではありません。しかし、体内で還元されて亜硝酸態窒素に変わると、メトヘモグロビン血症(ブルーベビー症候群)を引き起こすことがあります。
亜硝酸態窒素は発がん性物質であるニトロソ化合物の生成に関与している可能性が指摘されています。
硝酸態窒素は雨や水やりで簡単に地下水や河川水に溶け出てしまうため、井戸水に入り込んで健康を害したり、湖沼や海などの富栄養化を引き起こし、有毒なアオコなどが大量発生する一因となったりもします。
窒素肥料の過剰施肥により、アブラムシなどの害虫が発生しやすくなることが知られています。その結果、害虫駆除に使う農薬の量が増えることになってしまいます。

EUでは硝酸態窒素を多く含む野菜は出荷できないという規制がありますが、日本にはありません。けれども、自主的に硝酸態窒素含有量を検査し、“野菜の健康診断”を行っている良心的な生産者や流通業者もいますので、私たち消費者は、出来るだけそのような野菜を選びたいものです。

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