「有機JAS認証」を取得していなければ、「有機農産物」「有機野菜」と名乗ることはできません。安心・安全な農産物を選ぶ上で、有機JASマークはたいへん分かりやすい目安になると言えます。(参照:「有機JASとは?」)
その一方で、有機JAS認証を取得しないままで、「農薬も化学肥料も使わない」、「動物性の堆肥を使わない」、さらには「農薬だけでなく、肥料も一切使わない」など、有機JAS認証が取得できるレベルの栽培を実践している農家もあります。そうした篤農家(研究熱心で優れた技術を持った農家)の多くは、消費者との長年に渡る信頼関係で結ばれ、直接消費者に届けたり、生活協同組合や宅配団体を通して会員(消費者)に届けたりしているケースが多いようです。「誰が、どんな栽培方法で育てている農産物なのか」という情報が、きちんと消費者に届くシステムが出来上がっているため、第三者による認証は必要ないという考え方に基づいているのですね。
生産者と消費者が密な関係を維持し、契約栽培・直接取引を行う形態を「提携」と呼びます。多くの提携団体では、“生産者と消費者の相互補助の精神”に基づき、交流会や学習会なども積極的に開催しているようです。「提携」はもともと日本で始まったシステムですが、近年ではむしろ欧米で高く評価され、実践もされており、有機農産物の消費を促す大きな力となっています。
近年はインターネットで生産者と消費者が情報を直接やり取りできる時代になったこともあり、「提携」にも様々なバリエーションが見られるようになりました。色々と検索・情報収集してみると、自分の好みやライフスタイルにフィットした生産者や団体が見つかることでしょう。
※ちなみに、“有機JAS認証を取得していないが、同じレベルで栽培された農産物”を、農業や食品業界の関係者は、一般に「非JAS農産物」と呼んでいます。