Organic な「もの」「こと」「ひと」
  1. 国産有機
    サポーターズ
    活動事例集

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  2. 大阪府吹田市

    グリーンマーケットMOAえさか店
    (株式会社エム・オー・エー商事)

    関西販売責任者 志水貴史さん
    関西販売 マネージャー兼店長 北川貴規さん
    取締役 情報企画部 部長 野中誠二さん
    【グリーンマーケットM O Aえさか店とは】
    「こころ・からだ・大地を育む食をお届けします」をコンセプトとした食のセレクトショップ。江坂駅(大阪府吹田市)から徒歩約5分、多くのお店やオフィスで賑わう大通りから1本入った静かな路地に面しています。
    ※グリーンマーケットは全国に約100店舗。MOA自然農法によって生産された農産物やその加工食品を中心に、オーガニック&ナチュラルな食材が揃っています。

自然農法も有機農法も、目指すところは同じ。
自然循環型の農業の裾野を広げていくことです。
そのきっかけを作るため、
お店では様々なイベントや仕掛けを実施しています。

MOA自然農法とは
「自然を尊重し、自然に順応する」という考えに基づいて“土の力”を発揮させることで、農薬や化学肥料などに頼らなくても作物が健全に育つように取り組む農法。創始者は岡田茂吉氏で、およそ85年もの歴史を誇ります。生産者は「MOA自然農法ガイドライン」という基準にのっとって農業を営んでおり、このガイドラインは、「栽培の基本」や「実践のあり方」をはじめ、「農や食に取り組むための心のあり方」にまで言及したもの。MOA独自の基準ではありますが、有機JASの基準とも非常に親和性の高いもので、国産有機サポーターズとして参加しています。グリーンマーケットえさか店の店内には、その基準の内容を説明したポスターが掲げられています。
プライベートブランドの加工食品
お店では、MOAのプライベートブランド(オリジナル)の加工食品も製造・販売しています。どのアイテムも可能な限りMOA自然農法原料やMOA指定調味料を使用しており、「野菜やお米を食べてMOAのファンになった」という方々から強く支持されているようです。「合成食品添加物はできる限り使用しない」「加工食品の原材料も、畜産の飼料も、可能な限り非遺伝子組み換え作物を選択する」「製造メーカーや製造工程を明確にする」「品質の安全性を常に確認し、人と環境にやさしい商品づくりを継続していく」等々に配慮しつつ商品開発していくことは決して簡単ではありませんが、お客様に喜ばれる商品づくりに努めているとのこと。MOAとの縁でオーガニック専門食品メーカーも生まれており、生活必需品ともいえる様々な加工食品が誕生しました。
オーガニックに親しむための“きっかけ”づくり
グリーンマーケットMOAえさか店は、環境に負荷を与えない農業と、その農産物が世の中に広がっていくように、様々なイベントや仕掛けを実施しています。

①「健康野菜市」… 月に1回、ボランティアによって開催されます。価格を標準化すべくおよそ5km圏内の地元オーガニック農家の農産物を販売しており、生産者と、近隣の住民や勤務者とのコミュニケーションの場となっています。商品だけでなく、“美味しさへのこだわり”や“より美味しい食べ方”などの情報が行き交う場でもあり、ここで育まれた“生産者への信頼”が、店内での購買にも繋がっていきます。

②「会員制度」… 通常の小売店同様に「メール会員」「ポイントカード会員」などの制度によって、オーガニックなお買い物の後押しをし、より多くの人々がオーガニック&ナチュラルな食生活の魅力に触れることが出来るよう仕組み作りをしています。

③「料理教室」「ワークショップ」…「ワークショップ手作りみそ教室」や「料理教室」等を食育の一環として開催。じっくりと時間をかけて体験・継続していただくことで、オーガニックな食生活に親しむきっかけを提供しています。
スタッフにも学びの機会を
さらに、「MOAグループ内の自然農法認定団体を招いての勉強会を開催」、「MOAグループ独自の食育資格制度も策定し、スタッフに資格取得を推奨」、「取引のある農家や食品メーカーには毎年足を運んで交流を深め、生産現場の実情を知る」など、スタッフが学びを深めることのできる環境づくりにも力を入れています。現在、一番の課題は「商品の販売手法」。購買層の多くは、スーパーマーケットや生協への依存度が高く、“オーガニック&ナチュラルの商品はまだまだ嗜好品レベル”、“有機JAS認証マークが付いていてもマークの認知度が低い”というのが現状です。そこで、グリーンマーケットMOAえさか店では、商品の試食試飲を実施し、その際に商品背地名を必ずひとこと加えることで、商品の訴求ポイントが分かりやすい販売手法を考えているとのこと。
生産者に“ファン”がついている
MOAグループは全国の米農家と交流がありますが、関西地方で特に人気が高いのは、滋賀県の琵琶湖付近で自然農法にて栽培されているコシヒカリと、高知県の早期米(8月に出来上がる)。また、野菜の場合、およそ5km圏内にある近隣農家から仕入れたものが、「旬の新鮮な野菜が届く」「物流コストが低いため販売価格も比較的安価」「そしてなにより“美味しい”」ということで支持されています。加工食品で人気が高い醤油は、西兵庫の醤油蔵に原料を提供して委託加工しているMOAオリジナルアイテム。品質レベルの高い農家の農産物や、それを原材料とした加工品は、毎年それを楽しみに待っているファンが多いのだそうです。
自然循環型の農業を広げる
MOAグループは“自然農法の老舗”として知られています。「自然農法」とインターネットや書籍で少し調べてみると、「農薬や化学肥料はもちろんのこと、有機肥料さえも使用しない」というような記載を多く目にすることでしょう。新規就農者の中には、「農薬も肥料も一切使わないのが究極にナチュラルな農法である」と憧れる方々も少なくありません。けれどもMOAは、自然農法の団体の中では肥料に関して比較的柔軟なスタンスを持っており、「無肥料栽培は相当難しく、生産者の経験や技術が問われる。いきなり無肥料にこだわり過ぎて失敗し、農業を諦めることになってしまうのは残念なこと」「無肥料にチャレンジする前に、まず、“植物性の肥料だけは使ってみる”という方法もある」とアドバイスすることもあります。(動物性の資材を使っていない農産物はお店でも人気が高いとのこと。) 「自然農法も有機農法も、目指すところは同じ『自然循環型の農業』。その裾野を広げていくことが大切」というのがMOAグループのスタンス。近年は、自然農法の生産者が、“消費者の方々に分かりやすい客観的な指標になるから”と、有機JAS認証を取得するケースも徐々に増えてきているそうです。

今回の取材にあたって実店舗とショッピングサイトを拝見しましたが、そのどちらにも、「国産有機農産物サポーターズ」ロゴマークが掲示されていました。以前、「オーガニックな日々サポートショップ」というノボリ旗を自社で立てていただけの時にはない来客があったことから、パネルやPOPの重要性を感じ、注力していきたいと考えているそうです。さらに、「国産有機農産物サポーターズ」のメンバー同士、横の繋がりを増やしていき、共通のキャンペーンを行なえるようになれば…という期待も語っていただきました。
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