牛の死で化学肥料の恐ろしさを実感
今の仕事の原点となっているのは、まだ実家で暮らしていた頃の出来事。実家では飼っていた牛が化学肥料(流安…硫酸アンモニウム)を舐めて死んでしまったことがあったのだそうです。その時に化学物質の恐ろしさを実感し、自分が農産物を手がけるならば農薬や化学肥料に頼らない有機農法しかないと考えるようになったとのこと。
お米の美味しさを味わい尽くすために
精米で出た糠で糠味噌を作ったり、その糠味噌を使った自家製の糠漬けを作ったりと、生産者が手間ひまをかけて育てたお米は糠まで無駄にすることなく味わうというのが、このお店のスタイル。さらに、オリジナルのキムチ・梅干し・納豆なども製造販売しています。「常に店頭に立ってお客様と会話し、要望を知ること」「必要があれば炊き方や味わい方までアドバイスすること」を大切に、主食であるお米を中心に、美味しくて健康的な食生活をしていただけるよう情報発信をしています。
“伝える”ことの大切さ
上記のような情報発信をしていくには、お店に立つスタッフ全員が、お客様に的確に商品のことを説明できなければなりません。そのため、社員教育の一環として、想定される質問に対する答え方を、ロールプレイング形式で練習しているそうです。また、現在はコロナ禍で実施できていませんが、お客様が参加できる料理教室や産地ツアーなども行ってきました。お米の消費量が減っている近年、“本当に美味しいお米を実際に食べてもらうことが大切”と、店頭で小さいおにぎりを提供し、試食していただいてもいるそうです。グルテンフリーへのニーズが高まっていることから、米粉を使ったパンの開発にも取り組んでいるとのこと。さらに、店名と同じタイトルのPR楽曲を作って自主CD化し、カラオケにも登録、YouTubeで見ることができるようにもしました。「お米の自由化が施行されて以来、どこでもお米が買えるようになりました。けれど、情報を記載したPOPも無く、ただ倉庫のように米袋を積んでいるだけ…という売場がまだまだ多いし、説明できる販売員が不在というところも多いのです」と明平さん。“買いたくなる表示”も含めた売場作りを推進していきたいそうです。
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