長年に渡り、「美味しくない」と言われ続けてきたBIOワイン(オーガニックワイン)。ワイン好きな人々の間でも、美味しいワインの話題にBIOワインの名前が登場することはありませんでした。残念ながら、かつて、美味しくないBIOワインがたくさん流通していたのは事実です。ところが近年、世界各国で美味しいBIOワインが登場するように。いったい何が変わったのでしょう?
では、まず、美味しいBIOワインを造るのが難しかった理由を見てみましょう。
このようにBIOワイン造りは、薬品に頼らない製法であるがゆえ、品質劣化が起こりやすかったのです。では、上記のような問題点を、生産者はどのようにして解決してきたのでしょうか?
かつてのBIOワイン生産者は、「化学的な農薬や添加物を使わない」ということだけにこだわり、醸造は“放置して自然に任せる”スタイルが多かったため、ワインにとって大切な香り・色・味わいを追求するところまでは到達していませんでした。しかし、葡萄はとても繊細な果実で、ほんのわずかな土壌の違いや天候の違いによって味や香りが左右されますし、醸造環境の違いによって出来上がるワインの味も大きく変わるもの。化学薬品に頼らない分、人間が丁寧に葡萄と向き合って対話をし、微生物の力を借り、時間をかけることで、芳醇なワインが生まれるというわけです。
花のように華やかな香りのもの、カラメルのような甘さを持ったもの、どっしりとしたコクと渋味が特徴のもの…等々、生産者の努力によって、BIOワインも様々な香りや味を楽しめる時代になってきました。ネットや本で情報収集をしたり、BIOワインを多く取り扱うお店で相談したりしながら、お気に入りの1本を探してみてはいかがでしょう? お友達と“私のお気に入り”を持ち寄って、飲み比べパーティーを開くのも楽しそうですね。