2021/9/15
VOL.5
パン好き女子、パスタ好き女子へ
~小麦製品に多く使われる除草剤「グリホサート」

パン・パスタ・うどん・ラーメン・ケーキ・クッキー・お好み焼き・たこ焼き・スナック菓子…。現代の食生活で、まったく小麦製品を口にしない日はほとんど無いのではないでしょうか?

現在、小麦の国内自給率は約14%。うどんや和菓子など“日本の食べもの”であっても、その多くは、アメリカ・カナダ・オーストラリア・フランスなどからの輸入小麦を使っているのが現状です。

その一方で、「小麦製品は身体によくない」という話題も、よく見聞きするようになりました。その理由はいったい何でしょう?

最大の理由は、農薬の残留問題です。2018~2019年にかけて、「農民連食品分析センター」が、日本国内で販売されている小麦粉・パン・パスタなどの農薬残留検査を行ったところ、そのほとんどから農薬成分「グリホサート」が検出されました。国産小麦を使った製品からは検出されなかったため、輸入小麦に原因があると考えられます。同時期、アメリカでも、市民団体が飲食店の製品を調査したところ、ピザ・ドーナツ・ハンバーガー・サンドウィッチ等、日本でもお馴染みの人気チェーン店の商品からグリホサートが検出されたそうです。

2015年、WHO(世界保健機関)の専門機関(IARC=国際がん研究機関)によって、グリホサートが発がん性物質に分類されています。同年8月には、アメリカで、“グリホサートを主成分とした除草剤を使用して発がんし、末期がんとなった男性”に、320億円の支払いを命じる判決が出た裁判もありました。

グリホサートは、いったん散布すると、その作用が長期間持続して、作物に残留しやすいということが分かっています。また、海外の広大な畑での農作業を楽にするため、“作物を枯らせて収穫を容易にする”ことを目的として、収穫直前(つまり、消費者に届く直前)に散布しているケースも少なくありません。

近年の研究で、「免疫力の要は腸内環境である」「腸と脳は密接な関係にある」ことが明らかになってきました。腸内細菌が破壊されることによって、アレルギーや免疫力低下が生じたり、自閉症・アルツハイマー病・発達障害・生殖障害などのリスクが上がることに関しても、様々な研究が進行中です。グリホサートは、植物が必須アミノ酸を作る経路を破壊することで植物を枯らすのですが、人間の腸内細菌にも同様のダメージを与えることが懸念されています。

以下に、グリホサートから健康を守る対策を記しました。日々のお買い物をする際、頭の隅に置いておいていただければと思います。

①国内産小麦を原料とした製品を選ぶ。オーガニック(有機)小麦だと、なお良い。
②和食を中心としたメニューを多く採り入れ、小麦製品の摂取量が過剰にならないよう心がける。
③輸入食品の場合、下記を基準にして選ぶ。
●原産国でクッキーなどの製品に加工されており、オーガニック(有機)認証マークがついているもの。
●輸入オーガニック(有機)小麦を使用し、日本で加工されたもの。
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